ネットを見ていると、小泉純一郎政権時代に経済担当大臣で、派遣社員を増やした竹中平蔵さんが経済格差を増大させた悪の大王のような扱いをされている。
じゃあ、なぜ、竹中さんは派遣社員を増やしたのか? をそれを考えたい。
まず大前提として、日本は労働法で、正社員を解雇できないんだよね。欧米の場合、正社員を採用して、ああ、この社員ダメだな、となったら、その社員を解雇できるんだよね。アメリカの映画みてると、よくサラリーマンが首になって会社から段ボール箱に荷物を入れられて追い出されるみたいなシーンがあるけど、日本は無いじゃない、そういうの。半沢直樹でも、上司に反抗しても、嫌がらせはあっても首にはならないでしょ。日本独特なんだよね。欧米なら上司にたてついたら首でドラマにならない。
だから、日本の会社サイドとしては、正社員を増やせないんだよね。一回採用したら生涯雇い続けることになるから。こうなると好況で景気が良い時は正社員が増えて良いのだけど、今の日本みたいに、少子化で不景気だと正社員を雇う余裕が会社にないわけ。結果、そうなると少しの正社員と大量の非正規社員っていう状態になるじゃん。
これはマズイと。だから、竹中さんは、派遣社員の枠を増やして、大量の派遣社員を作れる制度を作ったわけなんだわね。派遣社員って社会保険もつくから、正社員とアルバイトの中間的な地位になるから、まだマシじゃん、という感じ。
会社は派遣社員ならいつでも首にできるから、採用できるんだよね。
だから、本来的には、派遣社員の拡大じゃなくて、すべきは正社員を解雇できるようにしないと竹中さんはダメだったんだよね。それができなかったから、貧富の差が、大幅に拡大してしまったわけですわね。
かといって、当時、竹中さんが正社員の解雇規制を撤廃しようとしたら、世間も野党も大反対したはずで、どうしようもなかったんだよね。派遣を拡大すれば焼石に水だとしても、少しでもマトモな労働条件の人が増えると考えたんだと思うんだよね。
そういう感じかなと思います。■