子供の頃、北野武さんのファンでラジオとか本とか、よく読んでいた。
いろいろ印象に残ってる話があるんだけど、その中で二つ印象に残ってる話がある。うろ覚えだけど。
一つ目は、漫談なんだけど、外で悪業の限りを尽くすヤクザがいるんだけど、そのヤクザが家に帰ると家族に優しい父親って話。
この漫談聞いたあと、子供心に、世の中、何が正しいのか? 訳わかんなくなった。
二つ目は、田舎の山奥で、怪我した鳥を、ある家族が、拾って家族として飼うんだよね。
やがて怪我も癒え、家族は鳥を山に放つ。感動の別れってわけだ。
それで鳥は山を越え、飛んでいくんだけど、山を越えた所に、お腹を空かせた一家が住んでいて、鳥を捕まえて、食事にする。
その家族は飢えをしのげてハッピーみたいな漫談。
本当、毒々しい話だよ。北野武さんの話は落語っぽくって、どっかに社会に対する皮肉みたいなんがあって、結局、何が正しいか? なんていうのは、視点の置き場所にすぎない、っていうメッセージが強い。
一つの正義があっても、違う場所から見れば悪だ、みたいな感じでさ、その視点の変化を笑いにしている。
もう、そう言われてしまうと、世の中には絶対的な正しさ、悪、というものは無いって事じゃんね。
ようは全てが不正解であり、正解、全てが悪であり、同時に正義なわけじゃん。
だから、世の中、あんま白黒つけすぎると上手く行かないかもしれないって思う。
まあ、こんなもんだよね、ぐらいが、正解なんかもって最近思うのだ。。。。⬛️