映画にしろポスターにしろ雑誌にしろ街の景観にしろ、車のデザインにしろ、ファッションにしろ、欧米圏に比べて、「日本のデザイン」はダサい。で、このダサい原因はどこにあるのか? を考えていきたい。
昔、パンフレットとか雑誌の仕事に関わっていた事があるんだけど、ああいうのって、
まず1回目に試作品を作る。でチェックして2回目、3回目、って作っていって、客のOKが出たら完成で、実際に印刷会社で刷って店頭なり街なりにでる、という流れで一つの仕事が終わる。
で、1回目のある人物の写真が、あるとする。中年の髪の薄くなった皺のある男性としよう、別におかしくない、どこにでもいる普通の男性、でも、この写真に、どんどん補正がかけられていくわけ。皺をとり、髪が薄いなら髪を増やし、肌の色を綺麗にし、すると、確かにタレントみたいな美しい顔になるんだけれど、なるんだけれど、なんか不自然な感じになる。百貨店に立ってるマネキンみたいになる。綺麗なんだけど、生気がないというか現実感がなくなっていく。
料理の紹介のパンフレットでも料理の写真に、どんどん補正がかけられていく。綺麗にはなっていくんだけど、料理が現実から離れていって、美しいんだけれど美味しそうでは無くなっていく。
ネットのブログとかSNSに素人がスマホで、ブレブレで、適当に自分で撮っ料理の写真をあげてるけれど、写真の技術は稚拙だけれど、凄く美味しそうに見える。ブレやくすみがあるにもかかわらず。
これらが、どういう事を意味するのか? だよ。
つまり、全てのデザインというのは、現実感から遠くすれば、遠くするほど、魅力を失っていくわけ。人物の写真なら皺があって禿げててデブってて、それが現実なら、それを、そのまま補正しないで出したほうが、魅力的なんだよ。デザインとして。料理の写真もそう。補正すればするほど美味しそうに見えなくなっていく。
日本の映画なんか、出演者を美男美女ばっかそろえて、セットも不自然に綺麗すぎて、作り物感が凄くて、なんか魅力がない。車や家電のデザインも同じで、過剰に、不自然な美しさを追求しダサくなっている。
欧米の、いろんなデザインを見ていくと、そういう現実感を織り込んで、意図的にダささや生活感を残りして作られている。だから、こそ生活に馴染む本当に美しいデザインになる。
人間は完璧で一点の不備もない存在に魅力なんか感じなない。例えば北朝鮮や中国のプロパガンダ映像とか美男美女ばかりでてくるけれど、不自然感が凄いじゃん。綺麗というより怖い。そんな世界があるわけないって我々は経験値から知っているわけで、本能的に作為の臭いを感じ取る。
それより、ブスやブサイクの人が映ってる写真のほうが、納得できるし、美しく見えるわけだ。そもそも、極端な美っていうのはベクトルが美の方にむいているだけで、異形といえば異形であって、自然じゃない。
つまり日本のデザインというのは過剰に美を追求し、結果、現実感を損ない、綺麗だけれど汚いデザインになっているわけだ。
だってカタログみたいな綺麗な部屋なんか、もしそこで生活したら息がつまるだけだろう?■
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